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  2017年03月24日    

科学探査スクーナー船 タラ号が日本にやってきた!

フランスの科学探査スクーナー船タラ号。2017年2月の福岡を皮切りに、4月まで日本各地に寄港します。寄港先では無料の乗船体験やセミナーなど様々なイベントを開催。地球上の海をめぐるタラ号についてご紹介します。


タラ号をしっていますか?

タラ号が生まれたのは1989年。フランスで建造された当初は「アンタークティカ」と名付けられたこの船は、2003年、アニエスベーCEOのエティエンヌ・ブルゴワが船を買い取ったときに「タラ」とその名をかえました。

同年、フランスの非営利団体「タラ財団」が、過酷な環境にも耐えられるよう設計されたタラ号を使って環境調査と保護のための活動をスタート。気候変動と環境破壊が海洋にもたらす影響を研究し、理解するための探査プロジェクトを立ち上げます。

以降、13年にわたり10の探査プロジェクトを施行し、世界40カ国、35万kmを航海してきたタラ号。75の協力研究所や協力研究機関とともに、21の科学研究分野にわたって、数万のサンプル採取や観察を通じて、海洋の状況を知るための貴重なデータを収集してきました。タラ号海洋プロジェクトで採取したプランクトンの標本サンプルは35,000個にも及びます。

タラ号太平洋プロジェクト2016-2018

2006-2008タラ号北極プロジェクト、2009-2013タラ号海洋プロジェクト、2014タラ号地中海プロジェクトにつづく冒険が太平洋プロジェクト。2016年5月28日に母港ロリアン(フランス・ブルターニュ)を出港し、太平洋のサンゴ礁の生物多様性や進化を調査する航海がはじまりました。

© Sarah Fretwell - Tara Expeditions Foundation

太平洋をくまなく航行することでサンゴ礁の未知の生物多様性を調査し、サンゴ礁の気候変動への適応力をより深く理解することを目的に、パナマ運河から日本列島(2016年-2017年)、ニュージーランドから中国(2017年-2018年)へと、世界の最大海洋をまたぐ11ものタイムゾーンを横切り、地球の最遠隔地の島々やサンゴ礁を巡ります。

主要な行程は、パナマ、マルペロ島(コロンビア)、イースター島、パペーテ(フランス領ポリネシア)、クック諸島、サモア、ウォリス・フツナ、マーシャル諸島、ミクロネシア、マリアナ諸島、日本、台湾、フィジー、ニュージーランド、ニューカレドニア、パプアニューギニア、フィリピン、中国、香港、韓国、など

クルーたちの様子
© Yann Chavance - Tara Expeditions Foundation

船の上で研究をおこなう科学者たち
©-Yann-Chavance---Tara-Expeditions-Foundation

すでに予定されている10万kmのうち3万kmを航行してきたタラ号。15カ国以上から集まった乗組員たちが乗船しており、日本からは筑波大学、高知大学、京都大学からの研究者も参加。多くのサンゴ礁を観察し、サンプル採取を行っています。その分析から、地球温暖化によってサンゴ礁がかなりのダメージを受けていることが明らかになっています。

横浜で乗船体験してきました!

太平洋を巡るなかで日本にもやってきたタラ号。各地の寄港先では、その活動や研究内容を多くのひとに知らせるべく、セミナーや展示、上映会などのイベントを行っています。そのなかの一つが乗船体験です。

停泊しているタラ号に実際に乗船!いざ本物を目にすると、わくわくして顔が綻んできます。他のゲストたちも同じ気持ちなのか、船のまわりにはなんとなく熱気が漂っていました。

並んで乗船を待ちます。乗船には事前予約が必要ですが、平日の朝の回にも関わらず満員。キャンセル待ちの方もいました。

乗船体験では船を見て回るだけでなく、タラ号の活動や船の構造、乗組員さんたちの生活などの話も聞くことができます。

まずは船の構造についてのレクチャー。
タラ号の全長は36m、幅10m。長期間の航海を行うために船体は軽くて錆びないアルミでできています。北極や南極もまわるため、氷の海でも進めるように丸みをつけるなどの工夫もされているとのこと。氷の中をすすむ船というともっと大きくて厳つい装備を想像していたのですが、タラ号は507日間にわたって北極海2,600kmを航行したり、グリーンランド、南極、パタゴニア、南ジョージアでの6回の探査をおこなった実績もあります。

©-F.Latreille-Tara-Expeditions-Expedition-Foundation

実際に世界をまわっているクルーが船を案内してくれます。今回案内してくれたのはニコルさん(右)。

乗船しているのは6人の船員と7人の科学者。そしてアーティストとジャーナリスト。さまざまな国籍、さまざまな職能の人々が、決して大きいとは言えないスペースで長い時間を一緒に過ごします。生活のすべてが詰まったこの船は彼らにとっては第二の家であり故郷。船の名も「風と共に去りぬ」の故郷「タラ」が由来です。

”5ヶ月航海し5ヶ月家にいる生活を送っているけど、多様な人たちと過ごす時間が楽しいよ”と語るニコラさんが印象的でした。

気候変動に直面するサンゴ礁

DIVERMAG編集部 DIVERMAG編集部
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